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Takumi's stroll photograph
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 善福寺公園に行くには、女子大通りの女子大前交差点から東京女子大の東側のケヤキ並木に沿って歩く。
道が大きく左に曲がるところで真っ直ぐに急な坂を下りれば、そこは善福寺公園の下池である。
 右に回れば、善福寺川水源の蓮池とその下の水門に出会う。
 善福寺公園の上池に行くには左に回る。アシの茂る下池を右に見ながらラクウショゥの間を抜け、サクラの木の下を通りエンジュの広場を抜け、トチノキの下を抜け、早稲田通りを渡れば、そこは善福寺公園の上池である。

 DiMAGE X を持って今日は善福寺公園に出かけることにした。
 家からすぐ北に向かい、本宿小学校の角を右に折れて叉すぐ左に折れ、真っすぐに進むと東京女子大の東南の角にある四つ角に出る
  そのまま真っすぐに交差点を渡り、東京女子大の柵状の塀に沿って唯ひたすら真っすぐに進む。
  道が大きく左折するところで、曲がらずにまた真っすぐに進むと急な坂になるので、降りるとそこは善福寺公園の下池(しもいけ)である。
善福寺公園に行くにはこの道が最も近い道で他にはなく、井の頭公園に行く道が沢山あるのとは違っている。

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 下池には蘆(アシ・ヨシ)が生い茂って、昔の面影を色濃く残しる。アシはよく管理されて一定のエリアに植え込まれている。
岸に沿って右に回ると、イタヤカエデに続いて大きなメタセコイアの林がある。
 メタセコイアは落葉高木で、秋が終わると茶色になった葉もすっかり落ちて、寒々と枯れ尖った樹形を見せるようになる。間もなくである。

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  メタセコイヤの林を抜けると、左側の小道に糸杉が列状に現れる。その何本目かの木の西側に嫁菜を見ることができるはずだ。
 私の家に移植した嫁菜の生えていた所であるが、その後公園管理事務所の作業員にすっかり刈り取られて見えなくなっていたが、近づいてよく見ると若葉が芽を出していて、濃い緑色の独特の葉形から関東嫁菜だと確認することが出来た。

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  関東嫁菜の若葉は虫にも食われず奇麗であった。
 いったん公園の作業員に成草が刈り取られた後に再び芽生えたもので、瑞々しい若葉を見ることが出来た。
 もと生えていた場所を探して、やっと低い姿を見つけることができたのは、私が葉の形や茎の伸びる姿を目の底に焼き付けて覚えていたからである。

  しばらく歩いてから信号のある道を越えると、上池(かみいけ)に入る。東側、左に道をとって進むとすぐ、池の縁で、鎖の下に関東嫁菜が生えていたところに出る。一見無くなったように見えたが、草丈の低い状態で残っていた。ここも再生した関東嫁菜と思われる。 
 池の周りを回る歩道の端で人目に付きやすく、知る人にとっては採取の格好の場所で あろう。

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  かなり強く採取されたようで、再生してきた草丈は非常に低く、葉の形もとても小さい。
 よく無くならないで再生してきたな、と私はひざまずいて目を凝らしてみた。
ここにあるのを知っていなければ、これが関東嫁菜とは到底想像することは出来ないだろう。

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 ここは最初に関東嫁菜を見たところに近く、植え込みの陰になっていて道からは見えない。
 ここも公園の作業員の除草作業によって辺りは奇麗になっているが、関東嫁菜だけは大事にされていて、そのまま残っている。 
 関東嫁菜を大事にしてください、と公園管理事務所の所長さんにお願いしたのは、だいぶ前のことだったな、と私は思い出した。

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 上池の東側にはベンチサイトがある。ここからは池の真ん中にある睡蓮の植え込みがよく見える。
 池の中に杭で丸く囲ったところがあり、睡蓮はその中一面に生い茂っている。杭の上には鴨がよく止まっており、時には鵜が羽を広げ日に干しているのを見かけることもある。
 対岸には樹に覆われた小さな島が見える。

  少し進むと右側に上池の東側を南北に走る市道が見え、その向こうに瀟洒な公園管理事務所の建物が建っている。最近私は散歩の折りに立ち寄って、関東嫁菜の話をするようになった。
 去年私は蓑虫を探していて、上池ノ端で山吹の枝を刈り込んでいる作業員に様子を聞いた。ついぞ見かけたことはない、と作業員は言った。 その頃は事務所に立ち寄ることはなかった。

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  先に進むと、数輪の山吹の花に出会った。
 昨年、咲き終わった枝を刈り取っているところに出会わせたとき、種は一つもなかったことを思い出した。
 一重の花で、雌雄のしべがあると思うのだが結実しない。人工的に作られた不稔性の品種であろうと思う。一重でも実の一つだになき山吹の花、花はとても美しい。私の好きな黄色である。

  上池の一番奥に到達した。上池の北岸は広くなっていて遊具やベンチが置かれ、子供連れのお母さん達が集まってのんびり話をしている。
 岸辺に立つといつものように今来た南の方を眺めた。こじんまりした上池を一望することができる。対岸の木々も緑に映え、その上に大きな空が広がって明るい。ここはすがすがしくなるポイントである。

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北岸を後にすると西岸に向かった。
  すぐに「遅の井」と呼ばれる水源にでた。自然湧水はすでに枯渇し、今は汲上げられた地下水が流されている。
 ここは鬱蒼と繁った木々に覆われて昼なお暗い。

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  しばらく歩くと、岸辺でゆったりと浮かんでいる鴨たちに出合った。あまり見たことのない色をしているな、と私は思った。
 普段は、もっといろいろな色と形の鴨がいるのだが、今日はこの鴨しかいないようであった。

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 池の中央には蓮池があって、回りの杭には鳥がとまっていることが多いが、今日は一羽しか止まっていなかった。
 昔聞いたところによると、この池の中央辺りには水が湧いているそうである。

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  対岸を見ると、たくさんのピンク色の芙蓉の花が目に付いた。花の少ないこの季節、芙蓉の花は一斉に咲いている。
 散歩の道々でも、この花を見ることが多くなったが、ほとんどピンク色の花で、次々に増殖しているように私には感じられる。
 しばらくして自動車道に出ると信号を渡り、下池に向かって流れる水路に沿って歩いた。

  下池(しもいけ)に戻って東に回ると、良く管理された葦(アシ・ヨシ)の島が現れてきた。
 昔ここには田んぼがあって、稲の穂を刈った後の切り株の間にザリガニの巣をさがした。穴の中に肘まで手を入れると、奥にザリガニの感触があった。
 子供のころにはこうしてザリガニを捕っていたものだ。名前もエビガニと言っていた。丁度このころ食用蛙も増えていたが、その姿を見たことはなかった。               top

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  下池を東に回ると睡蓮が見られる。堰(セキ)を越えた水は善福寺川となって流れ、遠く神田川に合流している。
 睡蓮の花は少なくなっているが、いつ見ても奇麗である。
 ここは上池(かみいけ)の睡蓮より岸辺に近く、まじかに見えるので眺めている人が多い。

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  蓮池の中心部当りは、葉が立て込んで重なっているところがあり、花の数も多い。
 蓮池の辺りでは、上池に比べると鳥に出会うことが少ない。
 北側のこの岸辺には桜の木が植えられていて、四季それぞれの美しさを楽しむことが出来る。

 下池の東、太鼓橋の上から北西に睡蓮の全景を見る。
 下池の水は、太鼓橋をくぐると善福寺川に流れ込む。私は今、ちょうど善福寺川の源流に立っていることになる。
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下池の南に回っていくとまた葦(アシ・ヨシ)の島が現れる。遠く林立している樹はメタセコイアで、今日の散歩で私が最初に通ったところである。
 昔この辺りにはもっと背の高い葦が生えていて、ヨシキリをカスミ網で採る手伝いをしたこともあった。ヨシキリはヨシの茎に横向きに止まっていた。
 しばらく岸辺を歩いて元来た道に出合うと、東京女子大に向かって坂を登り、柵状の塀に沿って南に向かった。

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撮影地
東京都杉並区善福寺
善福寺公園
池の周辺
撮影対象
風景
カメラ
MINOLTA DiMAGE X

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